解説:飯島大智・佐藤望
アオゲラ
アオゲラ 全長:29cm
日本固有種であるキツツキの仲間です。南は屋久島、北は青森県まで、標高2000m以下の森林にひろく分布しています。特に広葉樹林で生活するのを好みます。
アカゲラ
アカゲラ 全長:24cm
日本の森林にひろく生息する中型のキツツキは、頭やお尻の赤色が目立つ種です。オスは後頭部の羽が赤色である一方、メスは黒色であることからオスとメスの見分けがつきます。
アカハラ
アカハラ 全長24cm
標高約1000m以上の場所で繁殖します。「キョロン キョロン ツリリ」と、初夏の高原に美しい鳴き声を響かせます。声は目立ちますが、森林の林床で生活していて、見つけるのは難しいです。
イヌワシ
イヌワシ 全長約90cm
翼を広げた長さは2mを超える大型の猛禽類。後頭部の光沢のある黄色の羽毛が美しく、ノウサギや大型の鳥類などを食べています。断崖や大きな木のうえに巣を作って繁殖しています。
イワツバメ
イワツバメ 全長:14cm
冬は東南アジアやオセアニアなどで越冬し、夏には日本全国で繁殖します。ツバメの尾とは異なる短い尾羽が特徴です。日本にいるツバメの仲間のなかでは最も高い場所でも繁殖を行います。
ウグイス
ウグイス 全長:15cm
「ホーホケキョ」と美しい声でさえずります。「ケキョケキョケキョ」という鳴き声は「谷渡り」と呼ばれています。主に藪のなかで生活するため、その姿はなかなか観察できません。
ウソ
ウソ 全長:15cm
口笛のような澄んだ鳴き声が特徴です。オスの頬は温かみのある桃色が目立ちます。メスは全身がベージュ色でおしゃれです。主に1500m以上の標高の高い場所で繁殖します。
エナガ
エナガ 全長:14cm
亜高山帯から低地にかけて周年見られます。体の半分を占めるほど長い尾羽が特徴で、ドーム型の巣をコケで作ります。北海道に生息する亜種シマエナガは顔が真っ白で有名です。
オオルリ
オオルリ 全長:16cm
コバルトブルーが美しいヒタキの仲間。川沿いの一番高い樹木のてっぺんでさえずります。標高1500m以下の森林でみられます。鳴き声が美しい日本三鳴鳥の1種です。
カケス
カケス 全長:34cm
翼の青色が美しい、カラスの仲間です。数羽で群れを作り生活しますが、警戒心が強く、じっくりと観察する機会はなかなか訪れないかもしれません。高原でも1年を通して見ることができます。
カワガラス
カワガラス 全長22cm
カラスという名前がつくが、中型のツグミ類です。川の周辺にいます。主な餌はカワゲラなどの水生昆虫。ときに川の中を泳ぎながら餌を探します。岩間にコケなどで巣を作ります。
キクイタダキ
キクイタダキ 全長:10cm
日本で最も小さい小鳥で、本州では繁殖は標高1500m以上の針葉樹林で行い、越冬期にも標高1500m以上の森にもいます。頭部の羽が菊に見えることから「菊頂」と名付けられたようです。
キジバト
キジバト 全長33cm
翼の赤褐色の鱗状の模様が美しいハトの仲間。平地から標高1500mほどの森林までにいます。住宅地でも繁殖する身近なハトです。「デーデー ポッポー」と特徴的な鳴き声で鳴きます。
キセキレイ
キセキレイ 全長20cm
黄色いお腹が美しいセキレイの仲間。1年を通して昆虫を食べていて、昆虫が少なくなる冬は、低地で越冬します。水辺を好み、ひらけた場所を尾を上下に動かしながら歩き、餌を探します。
キバシリ
キバシリ 全長約13cm
主に亜高山帯の針葉樹林で繁殖します。冬には、低地の森林でも見られることがあります。個体数は多くなく、なかなか見ることができません。
クロジ
クロジ 全長17cm
全身が黒色のホオジロの仲間。藪を好み、警戒心が強いためなかなか姿を見ることができません。夏には亜高山帯から高原にかけて繁殖し、冬には低地へ移動しひっそりと越冬しています。
コガラ
コガラ 全長:12cm
標高1000m以上の比較的標高の高い場所で周年見られます。夜間には仮死状態になることで、寒さに耐えます。また森のあちこちに食料を保管します。
コゲラ
コゲラ 全長:15cm
日本で繁殖する最も小型のキツツキ類。「ギィー」というくすんだ声を耳にする機会は多いかもしれません。天然林から都市公園まで幅広い環境に生息しているからです。
ゴジュウカラ
ゴジュウカラ 全長13cm
亜高山帯から低地まで分布していて、木を上から下へと移動しながら、餌となる昆虫などを探します。繁殖期には、大声でさえずるため発見は容易。冬にも亜高山帯に留まる個体がいます。
コマドリ
コマドリ 全長:14cm
鳴き声が美しい日本三鳴鳥の1種です。「ヒン カラカラ」と澄んだ美しい鳴き声を森林に響かせます。橙色の体色が美しいですが、藪や暗い場所を好むのでなかなか姿は見られません。
コルリ
コルリ 全長:14cm
森林の下層に生息しています。姿が似ているオオルリは樹上を好むのと、コルリは顔が白いことから、オオルリと識別できます。暗い森林を好み警戒心が強なかなか姿は見られません。
シジュウカラ
シジュウカラ 全長:14cm
胸にあるネクタイのような黒色の帯が特徴です。ネクタイはオスの方が太く、メスとの識別点です。主に広葉樹林を好みますが、針葉樹林でも見られます。冬には様々な鳥と一緒に群れを作ります。
ジュウイチ
ジュウイチ 全長:32cm
他の鳥の巣に卵を産み、子育てを任せる「托卵」を行うカッコウの仲間で、主にオオルリやルリビタキなどに托卵します。深い森林を好むので、見つけるのは一苦労です。
ツツドリ
ツツドリ 全長:33cm 「ポポポポ」と単調な機械音で鳴くツツドリは、4月頃に日本へ渡ってくるカッコウの仲間です。センダイムシクイやメボソムシクイ、モズ、ビンズイといったさまざまな種に托卵します。
ニュウナイスズメ
ニュウナイスズメ 全長14cm
全身の赤色味が強いスズメの仲間。オスは赤褐色だが、メスは黄色味をしています。夏は高原の森林で繁殖し、冬は低地の農耕地で越冬します。古文書などにもたびたび登場するスズメです。
ヒガラ
ヒガラ 全長:11cm
頭のツンと立った冠羽が特徴です。全長は日本でキクイタダキに次ぐ2番目の小ささです。針葉樹を好み、「ツピンツピン」とさえずります。冬にはコガラやシジュウカラと一緒に群れを作ります。
ビンズイ
ビンズイ 全長16cm
オリーブ色で地味な森林で繁殖するセキレイの仲間。高原や亜高山帯のひらけた森林を好み、高山帯でも少数の個体が見られます。ヒバリに似た複雑なさえずりを初夏の森林に響かせます。
ホオジロ
ホオジロ 全長16cm
身近な草原などで繁殖します。名前は、顔に白黒の特徴的なパターンに由来します。さえずりは大声で目立ち、「源平つつじ白つつじ」と表現されます。
ホシガラス
ホシガラス 全長35cm
白と黒のまだら模様が美しいカラスの仲間。亜高山帯と高山帯に生息します。食べ物を樹木の皮などに貯食します。秋には高山帯でハイマツの種子を集め、亜高山帯に運ぶ様子が見られます。
ホトトギス
ホトトギス 全長:28cm
日本で見られるカッコウの仲間のなかで特に体が小さい鳥です。夏になるとインドや中国から日本へやってきます、ウグイスなどに托卵し、子育てをまかせます。
マミジロ
マミジロ 全長24cm
標高1500m以下の森林で主に繁殖します。暗い場所を好むため、姿はなかなか見つかりません。早朝に「キョロインチー」と美しい声でさえずります。オスは頭部に白色の帯があり、目立ちます。
ミソサザイ
ミソサザイ 全長:10cm
渓流沿いを好み、目立つ岩のうえでさえずります。10cmと小柄だが、驚くほど大きな声です。冬には藪のなかや川沿いでひっそりと生活しており「チャッ」と細い声からその存在に気づきます。
メボソムシクイ
メボソムシクイ 全長:13cm
亜高山帯から森林限界にかけて繁殖します。越冬地は中国南東部やフィリピンと言われています。「チュリチュリチュリチュリ」と単調な鳴き声でさえずり、地上や崖にコケで巣を作ります。
モズ
モズ 全長:20cm
高鳴きと呼ばれる声は秋の風物詩で、秋から冬にかけて低地でも観察できます。高原では春先から夏にかけて見られます。越冬期には昆虫などを枝に串刺しにする「はやにえ」を作ります。
ルリビタキ
ルリビタキ 全長:14cm
夏は標高1800m以上で繁殖し、冬は日本国内の低地で主に越冬します。オスは空色の羽毛が美しいですが、メスや若いオスはベージュ色で地味です。